イタリア発の国際認証機関 Vireoジャパンのオープニングイベントが12月5日、椿山荘にて開催されました。JaSCAも聴講者として会場に足を運びました。オープニングイベントは、Vireoによる日本市場での本格的な事業展開のスタートを記念するもので、観光・宿泊・地域関係者を中心とした参加者が集い、多くの示唆を得る機会となりました。

冒頭の来賓挨拶では、北海道大学観光学高等研究センター客員教授であり、JaSCAの活動においても長年にわたり知見を共有いただいている小林英俊氏が登壇。日本におけるサステナブルツーリズムの歩みを振り返りながら、「地域と事業者は車の両輪であり、どちらか一方だけでは持続可能な観光は成立しない」と述べました。VireoはGSTC認証を地域、事業者、双方に付与できる世界唯一の機関であり、Vireoジャパン設立の意義を力強く語りました。

Vireo本社(イタリア)から来日したCEOのルイージ・マッツァーリア氏のプレゼンでは、Vireoが15年以上にわたり世界各地で展開してきたGSTC認証をはじめとする国際認証の実績や、Vireoが重視する「誠実性」「専門性」「透明性」「コミットメント」「持続可能性」といった価値観について紹介しました。Vireoは、コンサルティングやツール提供を行わない第三者認証機関として、認証を“取得すること”ではなく、実践と改善を促すプロセスとして位置づけている点が強調されました。

また、Vireoジャパンの運営会社である株式会社サステナ認証センターの塩地美里氏からは、GSTC認証の取得プロセスそのものが、行政・事業者・住民が協力しながら一つのゴールに向かって進むための「連携づくりのきっかけ」になる点が紹介されました。また、国際基準と照らし合わせることで、これまで当たり前だと思っていた取り組みが世界基準でも評価される強みであると気づける一方、これまで見落としていた課題や弱みを客観的に把握できるという点も挙げられました。こうした気づきは、認証の取得という結果だけでなく、取得に向けたプロセスの中で得られる重要な効果であると説明されました。

あわせて、日本におけるGSTC認証の授与式も行われました。認証を受けた株式会社アスコットジャパンは、シンガポールに本社を置き、世界40カ国以上でホテルおよびサービスレジデンス事業を展開するグローバル企業グループの日本法人として、GSTCスタンダードに基づくサステナブルな運営をグローバルに推進しています。授与式では、同社の代表取締役社長クリスチャン・ボーダー様が登壇し、Vireoジャパンの設立を祝うとともに、認証取得に向けた取り組みについて「サステナビリティは一度きりの取り組みではなく、私たちの企業文化や日々の行動に深く根付くものです。今回の認証取得はゴールではなく、これからも日本のチームとともに改善を続け、地域社会、従業員、そしてお客様に向き合い続けていくための重要な一歩だと考えています。」と述べられました。

JaSCAおよびLOOPORTは、Vireoジャパンの取り組みが、日本におけるサステナブルツーリズムを「理念」から「実践」へと進める重要な一歩になると捉えています。国際基準に基づく認証を通じて、地域と事業者が同じ方向を向き、持続可能な観光の実装に向けて歩みを進めていく——その動きを、今後も現場に寄り添いながら支援してまいります。
